2026/08/07
7年ぶりにコンベックスを買い替えました。
コンベックスと言うと聞きなれないかもしれませんが、いわゆるスケールとかメジャーとか呼ばれているアレ。
大工として毎日使っていた頃は、年に一度は替えていました。テープの先端の爪は金具がゆるくなったり、よく使う50cmくらいまでの目盛は擦れて消え、2.5mあたりは折り曲げて使う場所で割れたり、折れたり。道具は消耗品です。

営業になってからは、使う頻度が極端に減りました。それでも現場に行くときは必ず腰に下げています。営業と言えどこれが無いと仕事にならない。新旧を並べると、7年分の差がわかります。今回も10尺のところでポッキリ折れました。

写真をよく見ると、目盛りが2段。上段が尺目、下段がセンチです。
一見、見にくそうですが、木造をやる人間にとって、これが無いと仕事になりません。
日本の木造住宅は、いまも尺を基準に組み立てられています。
1尺が約303mm、3尺で910mm、6尺で1820mm。柱と柱の間隔も、畳の寸法も、床下地の合板のサイズも、この寸法のまま変わりません。910mmという数字を見て、一般の方は半端だなと思うことでしょう。でも実際は逆です。910mmが3尺で、それが基準。だから現場では「3尺で切って」「1間空けて」という言い方をします。910mmや1820mmと言い直すこともできますが、桁が増えて間違えやすい。尺で言えば現場では一発です。
建築業に入ってきた新入社員や未経験の方の最初のハードルは、この尺という寸法を理解することです。この業界にいるといつの間にか覚えて慣れますが、こんな感じなんだろうなぁと思う例えが、お米10kgが2.6貫(かん)?豚肉100gが2.6匁(もんめ)?こんな感じでしょうか?

ところで、この仕事をしていると、頭の中で単位を3回訳します。
図面と発注はミリ。910、1820、2730。建築の図面にセンチは出てきません。全部ミリで書きます。91.0センチと書けば、点が擦れたときに読み違える。ミリなら910、整数ひとつで済みます。
そしてお客様と話すときは、センチとメートル。「廊下の幅は78センチくらい」「天井までは2.4メートル」。6尺。1820ミリ。1.82メートル。全部同じ長さです。
尺で家をつくり、ミリで図面を引き、センチとメートルでお話しする。
1本のコンベックスに尺とセンチが並んでいるのは、そういう仕事だからです。
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