2026/04/17
その家は誰のために建てるのでしょう

写真とともに「ここのクロスに隙間がある」「この床の施工がおかしい」「このやり方で大丈夫?」という指摘。
返信欄には擁護する声と、絶対やり直させるべきという激しい批判が交差していて、見ていてなんとも言えない気持ちになります。
そのたびに頭をよぎるのは、ひとつの疑問。
そもそも、みんな本当に信用した会社で建てているのでしょうか。
こうした職業をしているとInstagramには、毎日、素敵な家の切り抜きを並べたリールが流れてきます。
光の入り方が美しいリビング。無垢の床と白い壁。整然とした収納。大正解の回遊動線。見ているだけで「こんな家に住みたい」という気持ちになるのは、よくわかります。
でも少し立ち止まって考えてみると、気になることがあって。
その家は「そこで暮らす家」なのか、それとも「誰かに見せたい家」なのか、ということ。
以前のブログでも他人のいいねより自分のいいねを…(←Click!)と書きました。
見ていて感じるのは、家の写真に共感することと、家を建てる会社を選ぶことは、まったく別の話のように思います。
インスタで集めたイメージを持ち込んで、価格と間取りだけを比べて会社を決める。そういう選び方の先に、お客様側の細かな指摘などの問題が起きているのではないかな?と感じることがあります。
だって、SNSで自宅のアラをおおっぴらに晒して、見ず知らずの他人の無責任な意見に左右されることっておかしなことだと思いませんか?
あれ?これって??っと思ったときに、真っ先に相談するのは自分たちが信用して契約した会社でしょう?

家は、完成した瞬間がゴールではありません。
10年後も20年後も、その家で暮らし続けることになる。木造住宅であれば、季節が変われば木は動くし、年月が経てばどこかに手を入れることも必要になってきます。そのとき気軽に相談できる関係の会社かどうか。施工の問題をSNSに投稿しなければならない状況ではなく、直接話せる信頼があるかどうか。

私がお客様と打ち合わせをするとき、年収や予算をほとんど聞かないのも、そういうところを見ているからかもしれません。その家でどんな暮らしをしたいのか、どんな毎日の中にこの家があるのか…。
そこを一緒に考えられる関係であることの方が、ずっと大切だと思っているので。
家を建てることは、写真を撮ることではなくて、そこで生きること・家族と共に過ごしていく場所だと思います。
どんな思いで、その会社に依頼しているのか。
プロ側の視点からThreadsを見ていると、大切なコトはクロスの隙間じゃないのにな…と残念に思います。
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