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column

2026/09/24

収納が足りないは、広さの問題じゃない

家づくりの後悔で、必ず上位に来るのが「収納」。
そんな記事を読むたびに、私が耳にするのは正反対の後悔だったりもします。

「収納が足りなくて、物があふれてしまった…」 「収納を大きく作ったけど、半分使っていない…」

収納の後悔の多くは、容量ではなく、生活動線との場所のズレから生まれます。

よく「使ったものは元の場所にしまいましょう」と言いますが、モノにもそれぞれ「帰る場所(定位置)」が必要です。
世界のトヨタでは、作業効率を徹底的に高めるために工具の定位置管理を行っています。壁に工具の形(影絵)を描いておき、どこに何が帰るべきかを一目でわかるようにして、探す無駄を完全に削ぎ落とすわけです。

家づくりも、まったく同じです。 問題は、その「モノの帰る場所」が、日常の行動ルートから離れすぎていることにあります。

たとえば掃除機。
2階に立派な納戸を作ったのに、日常的に掃除をするのは1階が中心。そうなると、わざわざ2階まで「モノを帰らせる」のが億劫になり、結局1階の部屋の隅に出しっぱなしになったり、掃除機を買い足したり。 書類や薬、文房具も同じです。リビングのテーブルで使うのに、帰る場所が遠く離れていたらどうでしょう?使い終わったあと、遠くまで戻しに行く人はいません。結果的にテーブルの上に置きっぱなしになり、それが散らかりの引き金になります。

物は「使う場所のすぐ近く」に帰る場所がないと、絶対にしまわれません。人は遠くまで片付けに行かない生き物だから。どれだけ床面積を削って大きな収納を作っても、場所が合っていなければ「収納が足りない家」になります。逆に使う場所に適切なサイズで「帰る場所」を用意してあげれば、少ない収納量でも驚くほどすっきりと片付きます。

もうひとつの落とし穴が、とりあえず広く作っておけば安心という発想です。 ウォークインクローゼットに憧れて大きく面積を取ったものの、実際は真ん中が歩くためだけの通路になり、服を掛けられる壁面は思ったほど増やせなかった。パントリーの奥行きを深くしすぎたせいで、奥にしまったモノが取り出せず、結局手前の数センチしか使っていない。

「広いこと」と「使えること」は全く別物です。 そして、無駄に広げた収納の分だけ、毎日過ごす居室の広さと予算が削られていることに気づかなければなりません。

収納は、単に物を隠す箱ではありません。
家族の毎日の動作をスムーズにするための場所なんです。

 

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