2026/07/16
平屋のトイレは1つか、2つか
ここ数年、平屋のご相談がぐっと多くなりました。
以前はご年配の方の建て替えが中心でしたが、今は子育て世代の若いご夫婦でも、最初のひと言が「平屋で…」ということがほとんどです。
佐原のような郊外エリアには平屋を建てられる地べたがあります。都市部で平屋が難しいのは敷地が足りないからで、ここなら平屋が現実的な選択肢になる。当たり前のようでいて、これは田舎住まいの強みです。実は全国的にも平屋は伸びていて、SUUMOの昨年の調査では、注文住宅を建てた人の25.3%が平屋。4軒に1軒!。国の建築着工統計でも2024年で17.0%、2008年の8.0%から比べると倍以上になりました。
で、平屋の間取りを詰めていくと、ほぼ毎回この話になります。
トイレは1つか、2つか。
子育て世代の方が気にするのは朝。家族が4人・5人といれば、出勤と登校の時間が重なる。1つだとトイレ渋滞になるんじゃないか?と。また、ご年配の方からは、寝室とトイレを近くしてほしいという要望が出ます。夜中に何度も起きるとなると、移動距離は短いほうがラクです。ただ、そこへお客様用をどうするか問題がのってきます。リビングを通らないと行けないトイレは使う側も気を遣う。これもよくある話です。
2つにする利点はわかりやすい。朝のトイレ渋滞がない。来客用と分けられる。万が一、片方が壊れてももう片方が使える。ただ、掃除の手間は倍になり、床面積も0.5坪から0.75坪ほど使う。費用は給排水と内装で30万〜60万円が目安、床が広がればその分の建築費も上がります。平屋の1帖を何に使うかという話でもあります。収納か、書斎コーナーか、玄関の余裕か…。

もう一つ、工事する側からあまり書かれていないことを3つ。
まず配管。2つのトイレを家の対面に配置すると、給排水の経路が長くなります。排水は重力によって斜めの勾配で流すもの。距離が伸びれば床下の納まりが窮屈になり、詰まりや音のリスクも上がる。水回りをまとめられるかどうかは、間取りの早い段階で決まります。
次に寒さ。トイレを北側の外壁際に置くと、冬は冷えます。暖かい寝室から冷えたトイレへ夜中に移動する。これは体に負担がかかります。外断熱の家は壁の内側が冷え切らないので、この落差が小さい。トイレの位置の話は、断熱の話でもあります。
最後に、今決めきらないという手。2つ目の場所に給排水だけ先に仕込んでおいて、当面は物入れとして使う。子どもが大きくなったとき、介護が必要になったときに便器を据える。壁と床は開けることになりますが、配管を後から引き回すよりずっとラクです。
実は先日、平屋の住宅で、押入れをトイレへリフォームする工事がありました。

幸いにも洗面所も近く、配管ルートがシンプルに取れたことで念願だった2カ所目のトイレが完成しました。

我が家は2階建てでトイレは各階に1ヶ所ずつ。朝のラッシュは何度もありました。家族が体調を崩して1階トイレに閉じこもった際、急いで2階のトイレへ駆け込んだ時は2つあって良かったなぁと思った記憶があります。
トイレを2つにするか1つにするか、正解はありません。
間取りと広さで決まる部分が大きく、そのうえで何を優先するかは、そこに住む人にしか分からないことです。
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