2025/05/19
円応寺様 寺務所 落慶法要
成田市伊能の円応寺様にて、当社が建築を担当させていただいた新しい寺務所兼庫裡の落慶法要が執り行われました。
弘法大師空海御生誕1250年の記念事業の一環として進められてきたこの建て替えプロジェクトも、こうして節目を迎え、私たちにとっても深い想いの詰まった一日となりました。
前日は台風のような激しい風雨でしたが、当日はお天気にも恵まれ、荘厳な法要が執り行われました。法衣に身を包んだ僧侶の方々が本堂から新寺務所へと渡られる姿は、長い歴史と新しい時代の橋渡しのようにも感じられ、静かな感動がありました。
また、境内では、観音さまマルシェと題したイベントも同時開催されており、地域の飲食店や雑貨屋さんなど多くの出店が並び、ご家族連れの来場者で賑わっていました。色とりどりのキッチンカーや、地域の方々による丁寧な接客、どれも地域に開かれたお寺を体現するようなあたたかな光景でした。
今回の寺務所建築にあたっては、ご住職とたくさんの打ち合わせを重ね、和の趣を大切にしながらも、誰でも安心して訪れることができる空間を目指して設計・施工に取り組んできました。段差をなくしたバリアフリー化や、木の温もりを活かした内装、そしてこの場所で日々人が行き交うことを意識した開かれた造り。受け継がれる信仰と地域の未来をつなぐ建築になったのではないかと感じています。
そしてもうひとつ、この建物を建てた私たちにとって特別な出来事が。
なんと、工事で出た杉の端材をご住職が活用くださり、限定のお守りとして製作されました。落慶法要に向け、4月28日から毎朝ご住職が護摩供養を続けられ、21座の護摩が修されたそのお守りは、まさに「祈りの詰まった木」として、落慶当日から頒布が始まりました。木材を扱う私たちにとって、こんな嬉しい形で建物が手を離れたあとも役割を持つことは、何よりのご褒美です。
お寺の建物は、単なる宗教施設ではなく、地域の人が集い、語らい、支え合う場所。
今回、円応寺様の新たなスタートの場に関われたことを、社員一同心から光栄に思っております。
円応寺様、このたびは落慶おめでとうございます。
そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。