2026/06/16
サグラダファミリア、イエスの塔完成。
2026年6月10日、アントニ・ガウディの没後ちょうど100年にあたるこの日、サグラダファミリアで「イエスの塔」の祝別・落成式が執り行われたとニュースで知りました。高さ172.5メートル。世界一高いキリスト教の教会となっています。

着工は1882年。
実に144年かけて、ようやくひとつの節目を迎えた建物です。
建築に携わる人間として、これは単純にすごいと思う反面、不思議な気持ちにもなります。
私たちの仕事では、設計者がいて、施工者がいて、お客様がいて、完成まで責任を持つというのが当たり前。
でも、このプロジェクトは違います。
ガウディは詳細な図面をほとんど残さず、模型を通じて意図を伝えていたそうです。内戦によってその模型が破壊された後は、残されたわずかな断片や資料をもとに、歴代の建築家たちがガウディの思想を読み解くという、途方もない作業が続けられてきました。
これを可能にしたのは、ガウディの「思想の器の大きさ」だと思います。
設計図もない、設計者もいない。それでも続いているのは、「何を作るか」より「なぜ作るか」が、世代を超えて共有されていたからなんだと思います。細かい仕様は変わってもいい。実際、建設初期は石積みだったものが、当時は無かった現代の工法に変わっていても、同じ建物として続いていける。
私たちが毎日やっている仕事も、間取りを決めて、構造を計算して、工期を管理して…それはどれも大切なことです。
でも、1882年に最初の石を置いた人たちは、自分が完成を見られないとわかっていた。それでも積み上げた。次の世代も、また次の世代も、「自分はその途中にいる」という意識で仕事を続けている。今の時代で言えば、着工したはいいけど完成は孫の代に…みたいな話。今では考えられないが、でもこの建物は、そういう感覚で作られてきた。
昔の人は何を見ていたのか…と思います。
自分の完成ではなく、もっと遠いところを見ていた。その感覚が現代の自分にはなかなか想像がつかなくて、ただただ圧倒される気持ちになります。

今回完成したのはメインタワーである「イエスの塔」。残るは正面入口にあたる「栄光のファサード」と4基の塔、そして大階段です。全体の完成は2035年頃と見込まれていますが…まだ終わらない。完成の暁には、見に行きたいなと思っています。
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