2025/09/14
もう一つの2027年問題
先日、モデルハウスでお客様と打合せをしていた時に、ダウンライトの球が切れているのを見つけました。
そんなところから、お客様と照明計画の話になりました。
15年前、私の自宅を新築したときは、ちょうど照明の転換期でした。
当時の照明球の主流は白熱灯型の蛍光球。細い蛍光灯がネジネジっと巻かれたアレです。
ダウンライトにも白熱灯を模した蛍光球が使われ、LEDはまだ普及し始めたばかり。
当時の照明の普及価格と比較すると、まだまだLED照明というのは高価な商品でした。
LEDは長寿命・省エネというメリットはあったものの、価格のハードルもあり、一般家庭にはまだまだ普及しづらい状況でした。それが今や、LEDはすっかり当たり前の照明になり、照明の世界はさらに次世代の有機EL(OLED)へと進化しつつあります。
照明の歴史を振り返ると、技術の進歩とともに、大きな変化があったことがわかります。
発熱が大きく、消費電力も多いが、温かみのある光が特徴。その後、白熱灯に比べると省エネで寿命も長い蛍光灯が開発され、青色LEDの実現から、あらゆる発光物はLED照明へと移行してきました。寿命が長く、消費電力も少ないLEDは一気に普及し、同時に価格も大幅に下がり、今では標準的な照明になっています。
そして、先日ご紹介した面発光で均一な光、目に優しく、さらに薄型で設置の自由度が高い、有機EL照明が開発され、照明の次世代が見えてきています。
そんな中、これから既存の照明機器の交換を考える必要がある大きな転換点がやってきます。
それが「蛍光灯の2027年問題」です。これは、2027年末をもって「特定水銀使用製品の製造・輸出入が禁止」される問題のこと。水銀はご存じの通り、環境や人体に悪影響を及ぼす可能性があるため、国際的に水銀を使用した製品の規制が進められていて、日本でも2027年以降、特定の水銀を含む照明器具の販売が禁止されます。詳しくはこちら(←Click!)
蛍光灯(直管・コンパクト・環形など)、 HIDランプ(水銀灯・ナトリウムランプ・メタルハライドランプなど)。つまり、これらの照明器具が今後市場からなくなるということ。
まだ蛍光灯の照明を使っている家庭や施設では、今のうちにLEDや次世代の照明へ切り替える必要があるというわけです。
これから新築やリフォームを考えている方は、照明器具の交換時期にも注意が必要です。
特に、既存の家でまだ蛍光灯を使用している場合や、水銀灯を使っているガレージ・倉庫・工場などでは、今後のリスクを考えて「交換・切り替え」を検討した方が良いでしょう。
今後、蛍光灯やHIDランプは交換用の製品が市場から減り、手に入りにくくなる可能性が高いため、「いざという時に交換できない!」という事態にならないよう、早めにLEDや有機ELなどの次世代照明へ切り替えていくことが大切です。
家づくりの際に、つい今の使い勝手だけを考えてしまいがちですが、10年後、20年後を見据えた計画が、より快適な住まいをつくるポイントになります。
照明も、住宅設備も、家そのものも、今だけでなく、これからの暮らしを考えて選ぶ時代。
私たちも、最新の技術を取り入れつつ、本当に長く快適に住める家をご提案していきます!
今の家の照明、交換のタイミングかもしれませんよ?
「蛍光灯の2027年問題」に備えて、ご自宅・職場の照明の見直しを始めてみてはいかがでしょうか?
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