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column

2025/11/26

車いす対応のキッチン。 LIXILウェルライフ

民泊として生まれ変わろうとしている芝山の民家も、いよいよ中盤戦
室内には次々と設備が据え付けられていきます。

今回設置されたのは、車いす対応のキッチン。
LIXILの「ウェルライフ」シリーズです。

初めてこのキッチンを目の前にしたとき、よく考えられているなと素直に感心しました。
そもそも一般普及品のキッチンではないので当たり前ですが、カタログで見るよりも質感も良く、使い勝手もよさそう。
奥行きは通常より5cm短い60cm。

この、たった数センチが、車いすで近づいたときの距離感を大きく変えます。
手が届く、体を無理に前へ出さなくていい。
それだけで、作業の安心感がまるで違うのだと思います。

フルオーダーなので高さも1cm刻みで調整でき、最大で73cmまで下げられます。
数字だけを見ると地味ですが、これは使う人の身体にきちんと寄り添うための設計です。
シンクも浅く、車いすの方はもちろん、椅子に座ったままでも無理なく作業ができるという、特別な人のための設備というより、誰かの不便を、当たり前に減らす道具だと感じました。

バリアフリーという言葉は、どこか構えてしまう響きがあります。
でも、実際にこうした設備を見ていると、これはやさしさの話なのだと思います。頑張らなくてもいい。遠慮しなくてもいい。できないことを我慢しなくていい。

この民泊は、バリアフリー改修という明確なテーマを持っていますが、目指しているのは配慮されている空間ではなく、誰もが自然に使える空間。
使う人が意識しなくていい、説明されなくても分かる、そういう場所。

家づくりも、リノベーションも、突き詰めると同じところに行き着く気がします。
どれだけ豪華か、どれだけ最新かではなく、その人の暮らし方に、ちゃんと合っているか?

少しでも「ラクだな」「安心だな」と感じてくれたら、それでいい。
それ以上の評価は、このキッチンにはいらないのかもしれません。

 

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