2025/08/21
円応寺様の記事を掲載いただきました。
このたび香取市牧野にある真言宗豊山派の寺院「観福寺」様の会誌・菩提寺に、成田市伊能・成田観音 円応寺様の寺務所兼庫裡の記事を掲載いただきました。
現場で何度も納まりを職人たちと擦り合わせ、地域に開かれた建物として完成に至ったあの日々が、言葉になって紙面に残ることは、作り手として、これ以上ないご褒美です。弘法大師空海御生誕1250年の記念事業として進んだ建て替えの歩みが、落慶の節目とともに丁寧に紹介され、改めて背筋が伸びる思いがしました。
落慶の日は、前日の荒天が嘘のように空が抜け、法衣の僧侶が本堂から新しい寺務所へと歩を進める姿が静かに境内を満たしました。歴史と日常が手を取り合う、その橋渡しの瞬間に立ち会えたことは、当社にとっても忘れがたい記憶です。境内では「観音さまマルシェ」も開かれ、地域の皆さんの笑顔が行き交いました。お寺が地域の真ん中にある。その温度感まで、紙面から伝わってくるようでした。
設計と施工では、どなたにもやさしいバリアフリー動線と、寺院の木のぬくもりを素直に感じられる空間設計をしました。毎日がここで営まれるからこそ、過剰な装いよりも「清々しさ」を大切にしています。菩提寺の記事でも、その意図をくみ取っていただけたことが本当にうれしいです。
そしてもう一つ、紙面でも触れていただいた「杉の端材のお守り」。工事で生まれた端材が、ご住職の毎朝の護摩により21座の祈りを重ね、祈りの詰まった木として新しい役目を得ました。建物が完成したあとも、素材が手のひらの中で人の心を支えていくというのは。木材に携わる者として、こんな幸せな循環はありません。
建物は完成した瞬間がゴールではありません。人が集い、声が交わされ、季節が巡る中で磨かれていくものだと思っています。円応寺様の新しい日常に、この寺務所・庫裡が地域の拠り所として息づいていくことを、私たちはこれからも陰ながら見守っていきます。ご住職をはじめ関係各位、工事に力を尽くしてくれた職人たち、そして記事として届けてくださった観福寺様の皆さまに、心より御礼申し上げます。
円応寺様、改めまして落慶おめでとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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