2025/08/19
終戦80年の節目
お盆が明けても休みなく続いている、東京・神田「鳥すきやき ぼたん」様の屋根工事。
連日の炎天下の作業が続きますが、現場確認の空いた時間に近くの靖国神社へ足を運びました。
名前は誰もが知っている場所ですが、実際に訪れるのは今回が初めて。
青空の下にそびえる大鳥居をくぐると、周囲の喧騒が嘘のように静かな空気に包まれます。
今年は終戦から80年という大きな節目の年。
境内に隣接する遊就館では、特別展『終戦八十年 戦跡写真展』が開催されていました。
戦場に残された砲台や兵士たちの遺品を写した写真には、言葉にできない重みがあり、ただただ今の平和のありがたさを考えさせられます。
展示の中で戦前から建つぼたん様の建物と、戦跡の写真が重なって見えました。
もしこの建物が戦火に巻き込まれていたら、いま私たちがこうして手を加えることもなかったかもしれません。
戦前の建物を直す仕事に携われることは、偶然ではなく、きっと何かの「縁」なのだと思います。
「靖国神社」と聞くと、どうしても政治的な話題が先行しがちですが、現地に立ってみると、感じるのは祈りと鎮魂の場であること。
戦没者の英霊に手を合わせ、日常の中で忘れがちな平和の尊さに立ち返る時間となりました。
私たちの仕事は「家づくり」ですが、その根底には家族が安心して暮らせる日常を守ることがあります。
平和があってこそ日々の暮らしがあり、子や孫に受け継がれる住まいがあります。
戦後80年という節目に、こうした現場に立ち会えたことに不思議な因縁と大きな責任を感じました。