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column

2025/09/16

相見積もり、どう思いますか?

「キッチンの見積もりをお願いしたいんですが、他にも何社か声をかけています」

家づくりやリフォームではよくある場面。
相見積もり自体は悪いことではありません。
多くの業者がある中で、価格の妥当性を知る手がかりにもなりますし、適正価格を知る上で、お客様の不安を和らげる効果もある。ただ、その軽い気持ちの裏側で、私たちがどんな気持ちで受け止めているかも、少しだけ想像していただけると嬉しいです。

見積もりは無料と書いていても、実際は現地調査・積算・工程検討にいたるまで、相応の時間と労力がかかります。
家は一軒一軒、条件が違う。テンプレでポンとは出せません。
だからこそ、私たちは「任された仕事には100%の力を注ぎたい」と思っています。
一方で、本気度が見えない相見積もりに、最初から全リソースを傾けるのは難しい…このジレンマが現場の本音です。

とはいえ、見積もりは誠実に作るべきもの。
ここは私たち業者としてのプライドです。
工法の選び方、下地の扱い、見えない納まり、将来のメンテを見据えた仕様…数字の裏側まで含めて、できる限り丁寧にお出しします。
そうした中で、価格の上下だけで比較されると、本当に必要な工程を削る誘惑が生まれてしまうのも事実。
質や手間をこっそり落とせば安くはできますが、長い目で見て私たちの信用にも、お客様の利益になりません。

 

相見積もりでうまくいくお客様には、共通点があります。

①本気度を言葉で伝えてくれる。 「こう困っている」「ここを解決したい」。目的が明確だと、提案の精度が上がります。
②隠さない。 相見積もりであることを素直に共有し、他社の提案で迷う点は率直に相談してくれる。駆け引きより、課題共有が大歓迎です。
③断るときは一言くれる。 「今回はご縁がありませんでした。またお願いしますね」のひとことが、現場の心を救います。フェードアウトは双方にとって損です。

逆に、私たちが大切にしている線引きも正直に。

①叩き台だけ欲しいにはお応えしません。 根拠のない安値競争は、品質と安全を傷つけ、そもそも概算のため実工事の費用と見合わないこともあります。
②内容の見えない値引きはしません。 価格を動かすなら、仕様・工程の見直しとセットで。
③責任を持てる範囲でお受けします。 アフターと保証を含めて初めて、見積もりの意味が成立します。

 

最後に、私からのお願いです。
見積もりは値段表ではなく、プロとしての最適解の提案書です。
だから判断軸は、

人となり(誠実さ・相性)
説明責任(根拠の明快さ)
将来の面倒見(保証・メンテ体制)
価格の順で見ていただけると、きっと失敗が少ない。

三社とっても、一社目で「この人だ」と思えたら、そこで決めるのも立派な選択です。
相性の合わない安さより、腹を割って話せる納得の適正を重んじてください。

任せていただいた仕事には全力で向き合います。
相見積もりであっても、本気の相談なら本気でお返しします。
迷っている方こそ、まずは「何に困っていて、どんな暮らしにしたいか」を教えてください。
数字の先にある暮らしの答えを、一緒に見つけていきましょう。

 

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