2025/12/05
建設業の人材不足と未来の話
幕張で開催されたナイス千葉パートナー会に参加してきました。

今年も忘年会に先立ってセミナーが行われましたが、今回のテーマは「建設業の職人不足」。
全国的に語られるこの課題ではありますが、講演を聞きながら具体的な数字と現場の声が示されると、その深刻さが胸に迫ってきます。
講演では、若年層の建設業離れが加速し、技術を受け継ぐ世代が目に見えて減っている現実、さらに地域格差による都市部への人材流出の問題などが語られました。
地方では仕事があっても担い手がいない。職人単価は上がり続け、建築費にも大きく影響してくる。そんな未来がすでに現実として動き始めています。「辞める理由を取り除くことが、採用以上に重要」という言葉は、特に印象に残りました。採用すればいいという時代は終わり、定着してもらえる環境づくりこそが建設会社の生命線であるという指摘に、深くうなずくばかりでした。

「ブルーカラー・ビリオネア」という言葉。ご存じですか?
技能職の価値がこれからより高まり、そこに携わる人が報われるべき時代になっていくという意味です。家づくりは最後の最後まで人の手によって完成します。AIが進化しても、機械化が進んでも、現場の職人さんの存在なくして、地域の家づくりは成り立ちません。だからこそ、職人さんを大切にし、適正な価値を届けられる体制づくりが、私たち地域工務店に求められているのだと強く感じます。
また、業務のデジタル化や事務作業削減など、人が減っても回る仕組みづくりの必要性を感じました。
職人不足が避けられない未来であれば、会社側が効率化を進め、現場が本来の仕事に集中できる環境をつくることも重要な会社の使命。紙ベースのやり取りや電話中心のコミュニケーションは、職人さんの負担を増やすだけでなく、若い世代から敬遠される要因にもなります。地域工務店だからこそできる改善は、まだまだあると感じました。
私たちがつくる家は、ただの箱ではありません。
そこに住まうご家族の暮らしと健康を何十年にもわたり支える地域の財産。そしてその家を形づくっているのは、日々現場に立つ職人さんの技術と誇り。
今回のセミナーを通じて、「家づくりの未来を守るには、人を守ることから始める」という当たり前の原点に、あらためて立ち返ることができました。
職人不足は間違いなく進みます。
しかし、だからこそ工務店がどう変わり、どう地域の家づくりを支えていくかが問われています。技術を継承し、人が働き続けられる環境を整え、無駄を省いて、価値ある仕事に力を注げる体制を整えていく。
その積み重ねが、地域の暮らしを守る未来につながると信じています。
建設業は厳しい状況にあると言われますが、視点を変えれば、地域工務店の価値がこれまで以上に問われ、求められる時代が来たとも言えます。
誰もやらないからこそ、私たちがやる。
そんな覚悟を胸に、来期は本気で仕組みづくりの年として取り組んでいきたいと思います。

講演の後は忘年会。
今年はつい先日、YKKがパナソニックの住設事業を買収するというビッグニュースがありました。一大メーカー同士が協業してでも推進していく建設業の未来はどんなものでしょう?
そんな話題でもちきりの忘年会となりました。
+++
寒い冬の体感会&家づくり・リフォーム相談会開催

冬は家中の温度差少なくホワッと暖かい、夏は全館除湿でサラッと快適。
特許!外断熱&二重通気工法のソーラーサーキットの家の常設モデルハウス
https://www.schs.co.jp/
12月20日(土)・21日(日) 10:00~20:00
※いずれも予約不要です。お気軽にお越しください。
以前、好評だった夜までの見学会も開催!
昼間とは雰囲気の違う、照明の中に照らされた室内の素敵な空間もご覧いただけます。




