2025/04/15
屋根はルーフィングが命!
家の屋根材といえば、「瓦」や「ガルバリウム鋼板」などの仕上げ材が主流ですが、実はその下に隠れた「ルーフィング(防水シート)」こそ、屋根の本当の要と言っても過言ではありません。
ルーフィングとは、屋根材の下に敷かれている防水シートのこと。瓦や板金が雨をはじき、万が一のために下に敷かれたルーフィングが、雨の侵入を最終的に食い止める最後の砦となります。つまり、屋根の構造は二重の守りになっているということ。
ところが、このルーフィング。
屋根材に隠れているため普段は目に見えませんが、実際に解体してみると、古いものはボロボロに破れていることがよくあります。とくに築30年〜40年クラスの住宅では、ビリビリに裂けていて、ほとんど防水機能を果たしていなかったというケースも少なくありません。
現在進行中のリノベーション工事の現場でも、トタン屋根を剥がしてみるとご案の通り。屋根が覆われた状態では下地がこんなになっているなんて想像も付きません。ただ、屋根裏には怪しい雨染みがいくつもあったので、それなりに覚悟はしていましたが、いい時期での改修計画だったようです。
昔のルーフィング材は、アスファルトをしみ込ませた「アスファルトルーフィング」が主流でした。しかし、時代とともに紫外線や熱により劣化が進みやすく、耐久性にも限界があるのが現実です。特に地震が多い日本では、建物が揺れると敷かれている古いルーフィングが、動きに耐えられず裂けていきます。
現在は、改質アスファルトルーフィングや透湿防水シートなど、より長持ちし、防水性に優れた素材が使われるようになってきました。特に高耐久タイプのものは30年~40年の性能を期待できるものもあり、新築時や屋根の葺き替え時にはこのルーフィング選びが非常に重要です。
雨漏りの原因の多くは、屋根材そのものではなく、ルーフィングの劣化や破れから起こります。
表面的にはきれいに見える屋根でも、その下でじわじわと水が侵入して、構造体にダメージを与えているケースも。
屋根は“見えない部分”こそが大切。
ルーフィングこそ、家の命を守る最前線なのです。
これから家を建てる方も、築年数が経った家に住まわれている方も、
「屋根を守るのは何か?」を考えるきっかけになれば幸いです。
見えないところにこそ、本当の安心があります。
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