2025/04/14
介護も見据えた家づくり。それって本当に必要?
当社でもOB様からの依頼が多い案件の一つに、介護保険を使った住宅リフォーム。
実際は、ケアマネージャーさんと相談しながら進めることが一般的ですが、「とりあえず手すりを付けておけば安心」と思ってしまうのは、少し早計かもしれません。
以前、ケアマネージャーの方からこんなことを言われたことがあります。
「本当に必要な介護リフォームとは、その方の困りごとが出てきたときに、その不自由を少しでも軽くしてあげられるリフォームなんです」と。
まさにその通りだと感じました。
たとえばトイレの手すり。右側の壁に固定で設置しても、実際に利き手や不自由になる側が逆だった場合、それは「ただの壁」になってしまいます。
「念のためのリフォーム」が、いざという時に役に立たないこともあるのです。
また、よくあるのが「車椅子生活を想定して、廊下を広くしておきたい」というご要望。もちろん将来への備えとして理解はできますが、現実には自宅の中を常時車椅子で生活している方は多くありません。実際の調査でも、要介護1〜2の方で車椅子を使用している割合は男性で12.9%、女性でも21.9%程度にとどまっているというデータもあります。
私たち桶市ハウジングの家づくりでも、将来を見据えた「可変性」と「自然なやさしさ」を大切にしています。
家中の温度差が少ない空間は、ヒートショックのリスクを軽減している。これも大きな意味でのバリアフリー。
私たちが大切にしている高気密・高断熱は、高齢者にとっては実は大きな安心につながっています。
「介護に備える家づくり」というと、バリアフリーや広い廊下が注目されがちですが、本当に大切なのは、必要になった時でも日常を快適に過ごせる家だと思います。
ずっと住み続ける家だからこそ、家族構成もライフスタイルも、10年、20年で大きく変わっていく。
その変化に寄り添える家を、私たちはつくっていきたいと思っています。
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