2025/05/06
そろそろ気をつけたい、シロアリの季節です。
毎年この時期になると、「家の中に羽のついたアリみたいな虫が出てきた」というお問い合わせが増えてきます。
見た目はただの虫でも、実はこれがシロアリのサインだったりします。
シロアリが一斉に飛び立つのは、ちょうど今、春から初夏にかけて。気温が20度を超えて、湿度のある日に群飛(ぐんぴ)と呼ばれる現象が起こります。地中や床下から羽アリが一斉に飛び立ち、新たな巣を探しに動き出します。以前、家の柱から羽アリがポロポロ出てきたとご相談の連絡がありました。そんな場面に出くわすと、すでに床下や構造材に巣をつくられている可能性もあるため、早急な点検が必要です。
「うちは新築だから大丈夫」と思われがちですが、実は築年数に関係なくシロアリはやってきます。特に湿気がこもりやすい場所──玄関ポーチや勝手口、浴室まわり、そして床下。こうした場所がシロアリにとってはとても快適で、巣づくりにぴったりなのです。
そして、シロアリの侵入の痕跡としてよく見つかるのが蟻道(ぎどう)。
これはシロアリが地中から家の木材まで移動するために、自らの排せつ物や土を使って作る「トンネル」のようなもので、壁の隙間や基礎の立ち上がりなど、目に見えない場所にひっそりとつくられます。蟻道が発見されたということは、すでに内部に侵入している可能性が高く、早急な対応が必要です。
私たちができることは、まず湿気対策。
基礎の通気口まわりに物を置かないこと、雨どいの排水がしっかり流れているかの確認、家のまわりに古い木材や段ボールを放置しないこと。これだけでも、だいぶ違います。加えて、5年に1度を目安に専門業者による点検・予防施工を行うことをおすすめします。ちなみにシロアリの薬剤も日々進化しており、人体やペットへの安全性に配慮した成分が使われるようになってきました。
見えないからこそ、大ごとになる前の気づきが大切。
「ん? なんだか羽アリが多いな」「柱に土のような筋がついている…」
そんな小さな違和感に気づいたら、ぜひ一度ご相談ください。