2025/10/11
「これは感動!」床研磨リフォーム
リフォームのご相談をいただいたお施主様からの一言。
「せっかくきれいに直すなら、床も新築の頃のように戻したいんです。」
その床は、杉の無垢板。
築20年を超え、お子さんが小さかった頃についた傷や、暮らしの跡がたくさん刻まれていました。それはまるで、家族の歴史そのもの。
無垢の床というのは、単なる建材ではなく、暮らしとともに呼吸し、時間を刻み、そして味わいを増していく「生きた素材」です。だからこそ、簡単に張り替えてしまうのはもったいない。
木の命を活かしたまま、もう一度蘇らせる方法。それが床の研磨です。
無垢床の研磨は昔からある技法ですが、問題は「粉じん」。
研磨と同時に大量の木粉が舞い上がり、家中が製材所のようになってしまうのが難点でした。
今回はその何点をクリアした方法で研磨を行います。
使用したのは、ドイツ製の床研磨機 BONO(ボノ)。
表面をわずか 0.5〜0.8mm 削り、高性能なHEPAフィルター搭載の大型集塵機で粉塵をほぼ完全に吸い取りながら作業を行います。そのため、施工中も家の中がほとんど汚れないダストフリー施工が可能です。
削り出された床は、まるでタイムスリップしたかのように新築当時の色へ。
長年の傷、シミ、日焼け跡などが消え、木目が柔らかく光を放ち始めました。
研磨を終えた床を見たお施主様は、思わず手を当てながらこうつぶやかれました。
「この色、この香り… 家を建てた頃を思い出しますね。」
家は人と一緒に歳を重ねます。その年月の中で、木がくすみ、色を変え、味わいを増していくのも自然の営みです。でも、こうして磨き直すことで今までの時間がリセットされるわけではありません。
むしろ、暮らしの跡を残したまま、新たな一歩を刻む。
再び命を吹き込まれた木が、家族のこれからをやさしく支えていく。
それが「無垢の床を再生する」ということ。
直すのではなく、「甦らせる」リフォーム。
その温もりを未来へとつなげていくお手伝いを、これからも続けていきます。
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