2025/11/10
施主手配・分離発注 本当にやりますか?
最近、YouTubeなどで「分離発注でコストダウン」「施主支給で安くリフォーム」といった情報を見かける機会が増えました。しかし、工務店として現場を見続けてきた私たちの立場から言うと、これらは良い面だけを切り取った情報であることが多く、実際の現場ではトラブルや混乱が発生しやすい方式です。

当社にも、友人の大工に頼みたい、設備だけ施主支給したい、工務店を介さずに直接業者へ発注したいといったご相談は定期的にあります。
お気持ちはとてもよくわかります。
ですが、私たちとしては、オススメできない理由がはっきりとあります。
分離発注や施主手配は、見積り上は工事費が安く見えることがあります。しかしその裏では、工事の段取り(各職人への指示や連絡・工程管理・トラブルの対応)や責任の所在の明確化など、これらをすべてお客様が担う必要があります。

現場は職種ごとの専門知識が深く関わる世界です。細かな納まり、工事の順番、下地の条件、設備の規格やら。
これらは建築のプロでなければ判断が難しい部分でもあります。

当社が長年、現場で見てきた実感として、分離発注の一番の問題は 「誰が現場全体を見るのか」 が曖昧になることです。
ネットで設備を安く購入できる時代になり、施主支給の相談も増えました。しかし、キッチンやユニットバスなどの施工と性能が一体になっているものは、施主支給に向かないものが多いのが実情です。どんなに性能のいい商品を買っても、取り付けが適正でなければ本来の性能が出ない商品や、不具合時に「商品不良なのか施工不良なのか」の判断の難しさ、故障した場合のアフターフォローは誰がする?など、こうした見えないリスクが必ずついてまわります。
当社では、施主支給を受ける場合は事前に適合性や施工方法を必ず確認し、保証範囲も明確にしたうえで進めることを徹底しています。
桶市ハウジングの家づくりは、「お施主様が安心して現場を任せられる体制をつくること」を最優先にしています。
だからこそ、現場監督は当社が責任を持って担当し、図面、工程、職人調整、品質管理のこれらを一貫して引き受けることで、現場が無駄なく、安全に、正確に進みます。どうしても支給したいものがある場合は、必ず事前打合せで内容を精査し、取り扱いや保証まで含め、問題がないか確認したうえで採用します。
数字だけを見れば分離発注は安く見えます。ですが、後々の不具合や手直しまで含めると、お客様にとってトータルコストは決して安くありません。

分離発注・施主手配は、「できる・できない」ではなく、「お施主様に負担が大きすぎる」という理由で、積極的にはおすすめしていません。
家づくりやリフォームは、段取り・責任・保証を一本化することで初めて、本当の意味で品質が守られます。当社が大切にしているのは、「施工品質」と「安心して暮らせる家」であり、見積りの数字だけでは測れない価値の部分です。
それでもコストにこだわり、施主支給や分離発注をされますか??
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【建築途中の構造見学会のお知らせ】

日時:2025年11月15日(土)・16日(日)
10:00~17:00 ※予約不要
場所:成田市猿山1211近く(滑河県道踏切すぐ)





