2025/09/10
年齢とともに変わる光の感じ方
昨年、パソコンのモニターがよく見える距離用で眼鏡を新調しました。
おかげで仕事中は快適に過ごせるようになったのですが、最近、眼鏡を外すとたちまち手元のピントが合わなくなり、歳をとったと実感して気分が萎えることがあります。
さらに感じるのが照明のこと。
以前より明るさが足りないと感じる場面が増え、年々、より明るい光を求めるようになっている気がします。
私の自宅は15年前に建てました。
当時はネジネジっと巻かれた電球型蛍光灯が主流で、現在のLED照明がやや普及しつつある頃でした。リビングには落ち着いた雰囲気を重視して、オレンジの電球色を採用しました。しかし10年ほど住むうちに、リビングが微妙に暗く感じるようになり、思い切って温白色に総交換。電球色と昼白色のちょうど間にあたる色味で、空間は一気に明るさを増し、心地よい雰囲気となりました。
ところが最近の自分の目の状況を考えると、いずれはすべて昼白色に切り替えなければいけないのでは?という不安も少し頭をよぎります。光の色味一つで、家も私も年齢を重ねていきますが、暮らしの快適さがこれほど変わるのかと改めて感じます。
当社の照明プランでは、リビングやダイニングといった家族が集う場所には電球色や温白色を選び、やわらかさや落ち着きを大切にしています。
一方で、素材の色をしっかりと見分けたいキッチンやウォークインクローゼット、お化粧をする洗面室などには昼白色を採用。
用途によって「光の色」を変えることで、暮らしやすさと心地よさを両立させています。
光の感じ方は年齢や体調によっても変化します。
若い頃には落ち着きを与えてくれた電球色が、年齢を重ねると少し暗く感じることもある。逆に、昼白色の明るさが目にまぶしく感じる方もいるでしょう。
大切なのは、今の自分にとって心地よい光を選ぶことだと思います。
最近、次世代照明として注目されている、カネカのOLED(有機EL照明)も当社で取り扱っています。
これは太陽光に近いフラットでやさしい光を生み出す照明で、目に負担をかけず、自然な色の見え方を再現できるのが特徴です。
陰影が少なく、光が広がるので、従来のLEDとはまた違う“柔らかな明るさ”を感じることができます。
将来、年齢を重ねても「見やすさ」と「心地よさ」を両立できる、新しい選択肢になるかもしれません。
家づくりは構造や断熱性能ばかりが語られがちですが、実際の暮らしに直結するのはこうした光の色や明るさも大切なコト。
もしご自宅で「少し暗いな」と感じたら、それは年齢やライフスタイルの変化による自然なサイン。
現在の照明を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
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