2026/03/06
三軒隣まで滅ぼす日
先日、地鎮祭の日取りについてお客様と打ち合わせをしていた時のこと。
「この日は大安だから、ぜひここでお願いしたい」と、カレンダーの数字を指してご指定をいただきました。

ところが、その日をよく確認してみると三隣亡(さんりんぼう)。
今の時代、あまり気にしない方も増えましたが、建築の世界では三隣亡は大凶とされる日。
文字通り、三軒隣まで滅ぼす…という恐ろしい意味合いがあり、昔からこの日に柱を立てたり棟上げをしたりすると、近隣まで災いが及ぶと忌み嫌われてきました。
お客様は「大安」という吉日だけを見ておられましたが、建築という現場においては、実はそれ以上に避けた方がよいとされる日があります。一方で、カレンダーに書かれている「大安」は六曜の中でも最も縁起が良い日とされ、結婚式や契約、地鎮祭などに選ばれることが多い日です。実際に日取りを決める際、大安を基準に考える方はとても多いと思います。

ですが、家づくりには家づくりの暦があります。
ここで少しややこしいのが、大安と三隣亡はまったく別の暦の考え方だということ。
大安は六曜という占いに近い暦から来ていますが、三隣亡は建築に関係する日柄として言い伝えられてきたものです。
そのため、大安でも三隣亡に当たる日が存在します。
さらに言えば、地鎮祭や上棟を避けた方がよいとされる日には、不成就日(ふじょうじゅび)や、十二直(じゅうにちょく)と呼ばれる暦など、見方もいくつかあります。
最近では三隣亡をあまり気にしない方も増えていますし、住宅会社や神主さんによっても考え方はさまざまです。
実際のところ、必ず避けなければならないという決まりがあるわけでもありません。
ただ、建築の世界では今でも気にする職人さんもいますし、「後から知って気になるくらいなら別の日にしておこうか」となることも少なくありません。
今回もお施主様にそのことをお伝えし、どうするかを一緒に考えることになりました。
家づくりは一生に何度もあることではありません。
だからこそ、こうした日取りも含めて、気持ちよくスタートすることはとても大切。
暦をどこまで気にするかは人それぞれですが、昔からの言い伝えには、それなりの理由や文化があります。
地鎮祭のような節目の行事では、そうした話題も含めて家づくりの思い出になっていくのかもしれません。
結局、お客様には三隣亡の意味を丁寧にご説明し、日取りを少しずらすことになりました。
「知らずにやって後で後悔するより、教えてもらえて良かった」
そう言っていただけて、正直ホッとしました。
もちろん、こうした暦を「迷信だ」と切り捨てることもできます。
ですが、家はこれから何十年とその土地に根を下ろしていくもの。
自分たちだけでなく、ご近所の方々も含めて、みんなが気持ちよく工事の始まりを迎えられることが大切だと思います。

無事に日取りも決まり、いよいよ新しい現場が動き出します!
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